【ふじみまち産業振興センター 2022年度町内景気動向調査事業】
富士見町の小規模事業者・中小企業者の景況基本調査アンケートを実施しました。
■2023年(令和5年)1~3月【令和4年度第4四半期】
3か月前と比べての全体の業況DIは-31.6ポイントであり、今回は-21.1ポイントであった。多少持ち直してきている感はあるが、全体として厳しい状況が続いている。
業種別に見ると製造業は前回-9.1ポイントであったが今回は-20ポイントであり、回復基調にはなっていない。在庫調整などが続いている影響もある。
前年同期比において、全体の業況DIは-15.8ポイントであり、前回は+5.3ポイントである。特に製造業は前回0ポイントであったが、今回は-20ポイントであった。落ち幅が大きい。
3か月後の見通しでは、全体の業況DIは0ポイントである。前回は-31.6ポイントであったため、明るい兆しが見えている。経営者の眼にもある通り、材料や資材の高騰に一服感が出てきているため、価格が安定してきている感がある。後は消費者の行動がどのように動くかである。
飲食業や観光業は第1四半期にゴールデンウイークを控えているため期待値が大きい。
詳しく見る>> 景気動向調査報告書【令和4年度第4四半期】(PDF 415kb)
■2022年(令和4年)10~12月【令和4年度第3四半期】
3か月前と比べると全体の業況DIは-31.6ポイントであり、前回比-55.4ポイントである。これだけの下げ幅は調査開始(2021年4月)以来初めてのことである。どの業種が悪いということではなく、全業種が前回の第2四半期に比べて数値を下げている。
ロシアのウクライナ侵攻や円安による原材料の高騰が長期化して、仕入価格が上がり売上総利益を圧迫していることはどの調査機関のデータにおいても示している。また、経費となる光熱費の上昇もある。前月と比べて使用料が同じであるのに電気代が2倍近くまで上昇したと言っている事業主もいた。これは本業のもうけである営業利益を圧迫している。
前年同期比においても、全体の業況DIは+5.3ポイントであり、前回比-38.6ポイントである。母数が少なくいちがいに言えないが業種ごとに振れ幅が大きい。
観光業は+100ポイント、飲食業は+50ポイントである。その反面、建設業は-100ポイントである。観光業に関しては、経営者の眼にもあるとおり、令和3年に比べて令和4年は全国旅行支援もあり動いているようである。
一方、建設業においては、2社とも厳しい回答である。諏訪信用金庫の調査では12月の受注工事は前年同期と比べて増加しているデータを示している。町内建設業においては、も2月・3月の公共工事は継続とあり一定の受注は確保している。
しかし、民間需要が落ち込んでおり、その影響が数値に表れている。
3か月後の見通しでも第3四半期同様に明るい兆しがなく、しばらく我慢が続くと思われる。
詳しく見る>> 景気動向調査報告書【令和4年度第3四半期】(PDF 407kb)
■2022年(令和4年)7~9月【令和4年度第2四半期】
3か月前と比べると全体の業況DIは+23.8ポイントであり、前回比-6ポイントである。これは製造業が前回比-44ポイントであるため数値を下げている要因である。
一方で飲食業は+100ポイント、観光業+75ポイントとなっておりプラス要因も働いている。経営者の眼にもある通り、飲食業や観光業はコロナ禍ではあるが、行動規制がないため消費が伸びている現状がある。
前年同期比においても、全体の業況DIは+33.3ポイントであり、前回比-16.7ポイントである。業種別に見ると製造業は-37.4ポイントである。
一方で飲食業は+100ポイント、観光業は+25ポイントである。諏訪地域は御柱年であるため、町内各地で小宮祭が行われている。経営者の眼にもあるとおり小宮祭効果が出ていると感じる。
製造業に関しては少しブレーキがかかってきている状況が伺える。円安等の影響により原材料や経費の高騰により利益を圧迫している。
3か月後の見通しでは、全体の業況DIは0ポイントであり、前回比-10ポイントである。見通しが少し暗くなってきている。
詳しく見る>> 景気動向調査報告書【令和4年度第2四半期】(PDF 406kb)
■2022年(令和4年)4~6月【令和4年度第1四半期】
3か月前と比べると全体の業況DIは+30ポイントであり、前回の-10から+40ポイント上がり、景気は上向きになってきている。その要因は、製造業が全体の数値を押し上げている。
前年同期比においても、全体の業況DIは+50ポイントであり、前回比+25ポイント上がっている。業種別に見ても飲食業以外は上向きであり、新型コロナウイルスの影響を受けやすい観光業においては前回比+75ポイントと上昇している。
本調査をはじめ1年が経過したが前年同期比は右肩上がりになりつつあり、withコロナが少しずつ浸透してきている気がする。
3か月後の見通しでは、全体の業況DIは+10ポイントであり、前回比-10ポイントである。見通しが少し暗くなってきている。経営者の眼のコメントにもあるように各事業所とも資材高騰や経費増大に伴い利益が圧縮されている。
また、今回の調査では円安等で材料や資材の高騰の調査を実施した。調査事業所20社中20社が高騰の影響が「大いにある」または「」多少ある」を選んでいる。どのくらい高騰しているかの問いには、10%以内の高騰が一番多いが、20%から30%以内の高騰をあげる事業所も15%いる。今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に端を発し、円安が追い打ちをかけるように材料や資材の高騰に拍車をかけている状況がはっきりと表れている。
製造業などは親会社に値上げ要請をしたところもあるが、それがすべて受け入れられるとは限らない。対最終消費者を顧客としている小売業や観光業は売価を上げているところもあり、今後の客離れが懸念されている。
いずれにしても、材料や資材等の高騰がいつまで続いていくのかがカギとなる。企業が自助努力により高騰分を吸収できる間は良いが、それができなくなった時に新たな支援策が求められる。
詳しく見る>> 景気動向調査報告書【令和4年度第1四半期】(PDF 504kb)